スマホのカメラ機能は飛躍的に向上し、いつでも、どこでも高精細な写真撮影ができるようになりました。撮った写真をブログやInstagramなど、インターネットにアップロードしている人もとても多いと思われますが、特にスマホのようなGPS機能のついたデジタルカメラで撮影した写真には、セキュリティについて注意しなければいけないことがあります。
今回は、写真画像に含まれる『Exif情報』と個人情報の漏えいと保護について紹介させていただきます。
写真画像に含まれるexif情報とは?
『Exif(イグジフ)情報』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?スマホを含めたデジタルカメラで撮影した写真は、通常 Exif(イグジフ)情報が付加された状態で保存されています。
Exif(イグジフ)情報とは? 写真画像に付加される、撮影したカメラのメーカーや機種、撮影日時、画像方向、ISO感度、光源、フラッシュ、画像圧縮率、位置などの情報のこと。
Exif情報は、例えばスマホで撮影した写真画像一覧を見る際にはそれほど気になることはないかもしれません。もしかしたら、Exif情報自体を知らない方もいるかもしれません。
Exif情報はどうしたら見ることができるのか?
PC(Windows7など)に保存した画像ならば、Exif情報を簡単に見ることができます。
保存した写真の1つをクリックして選択状態にするだけでエクスプローラーからも確認できますし、選択した画像のプロパティ(右クリック>プロパティ>詳細)を見ても確認することができます。下記は、スマホで撮影した写真のExif情報の例となります。
知っていると便利なExif情報
Exif情報は使い方を知っていると大変便利なこともあります。
Exif情報には日付もあるため、写真を撮影日一覧に並び替えることができます。
また、カメラを何台か所有している方の場合、Exif情報を見ればどのカメラで撮影したかわかるため(上記、カメラの製造元・モデル)、撮影したカメラごとに写真を整理する事もできます。
さらに、GPSが有効な設定で撮影したスマホ写真などではGPS情報も付加されるため、上記のExif情報にGPS欄が追加され、そこから行った場所(撮影した場所)をGoogle Mapなどで確認する事も可能となります。
知られると危険なExif情報は?
このように、Exif情報は使い方によってはとても便利なものですが、特にスマホで撮影した写真を何も知らずにブログなどにアップロードしている場合には要注意です。
GPS(所在情報)について
まず、撮影の設定によっては撮影場所の位置情報(GPS)が含まれるため、これを知らずにそのままサイトなどにアップロードしてしまうことは、『この写真はここで撮りましたよ!』と教えるに等しい行為となります。
ただ喫茶店で撮影したスナップショットだったり、特に知られても問題ない!と思う場合には良いかもしれませんが、GPS情報が削除されないままそれなりの数の写真をアップロードしていると、行動範囲や日常の生活パターンの特定にもつながりかねませんので注意してください。
また、特に気をつけた方が良いのが自宅で撮影した場合です。つまり、写真のGPS情報はあなたの自宅を知られる手段となってしまうのです。
個人名の漏えい
下のExif情報を見ると、作成者、著作権という項目があります。
カメラによっては著作権者の名前を設定できるものもありますが、Exif情報にはそれも書き込まれます。そのため、もし本名を入れていると、そのまま情報が掲載されることになるのです。
つまり、上記のGPS情報と名前の両方が掲載されたままの写真をネットに投稿することは最も最悪な事態で、名前も住所もそのままネットに流出してしまうことになるわけです。
それを承知で写真を投稿している人は、そうはいないと思いますので、あえて『最悪』と書かせていただきました。
インターネット上の写真のExif情報
他人が投稿したりしたネット上の写真ですが、簡単にExif情報を見ることができます。自分の端末(PCやスマホなど)にダウンロード・保存しても見れますが、保存しなくてもそのままExif情報を解析するサービスやアプリがけっこうあります(ここではあえてその方法は紹介しません)。
このように、何も知らずに写真をアップロードしていると、実は自分の個人情報をどんどんネット上に流している、といった事態につながりかねないのです。
Exif情報の消去・編集方法
それでは、どうしたらExif情報を消去したり、必要な個所だけを残して編集することができるのでしょうか?
撮影端末の設定を変える
GPS情報については、撮影時にどうしてもGPS情報を残したいとき以外はGPS機能をOFFにすることをお勧めします。
著作権情報についてもセキュリティ上は設定しない方が良いのですが、どうしても必要な場合は、ハンドル名やニックネームなどで対処するなどの方法もあります。
画像書き出し時の設定
例えば私の場合、アップロードする画像は必ずPC上で加工し、未加工の写真は絶対にアップロードしません。その場合はソフト・アプリ側の設定で、著作権情報などを書き出さないようにします。
Exif情報を編集する
Googleで検索すると、Exif情報を編集する無料ソフト・アプリがたくさん出てきますので、そういったツールを利用してExif情報を直接編集してしまうのも一つの方法です。
ワードプレスにおけるExif情報の取り扱い
このサイトではワードプレスの活用法について解説していますが、例えばスマホの写真をアップロードする際など、ワードプレスではExif情報は消去されずにそのままアップロードされます。ワードプレスはスマホアプリも存在し、記事の投稿がとても手軽に行えるすばらしいものですが、画像の取り扱いには注意が必要です。
まとめ
以上のように、ネットに写真を投稿する場合には、Exif情報に注意するようにしましょう。何も知らなかった、ではすまされませんし、ブログなどが身近になった今、セキュリティにおいてもすべて個人責任で管理する必要があります。